この知識はこんな方におすすめ
- お金の悩みから解放されたい人
- 将来どれくらいのお金が必要が不安に思っている人
- 自分らしい人生を生きたいと思っている人
「人生100年時代、老後のお金が不足するという報道を見て、何かやらなければと思っているんだけど。。。」
「お金の悩みから解放されたいんだけど、何をするべきなのかわからない。。。」
将来のお金のことを真剣に考えている方には、このような悩みがあります。お金のことを考えることは自分がどんな人生を送りたいのかを考えることです。
その第一歩となるのが、ライフプラン表を作ることです。実際のライフプラン表を使いながら、その効果を解説していきます。
ライフプラン表のシンプルバージョンを作ろう
ライフプラン表というと、難しそうに感じるかもしれませんが、まずは、以下のシンプルな表であれば簡単に作成できます。
例)ライフプラン表シンプルバージョン
名前 | 今の年齢 | 母:75歳(後期高齢者) | 次女:18歳(大学進学) | 母:87歳(平均寿命) |
母 | 69 | 75 | 82 | 87 |
夫 | 47 | 53 | 60 | 65 |
本人 | 45 | 51 | 58 | 63 |
長女 | 9 | 15 | 22 | 27 |
次女 | 5 | 11 | 18 | 23 |
この表では横軸に「未来の年表」を、縦軸に「家族の名前」を全員分書きます。同居する家族の年齢だけでなく、将来面倒を見るであろう人の年齢を書き込むことがポイントです。未来の年表には、母が後期高齢者となる「75歳」や次女が大学に入学する「18歳」をピックアップして年表に書き込んでいます。
母は同居していませんが、両親の年齢を書くことで、親の介護問題をいつごろから考えるべきなのかをイメージすることができます。母が80歳で介護が必要になると、子供2人にたくさん教育費がかかる時期が重なるんだ…」と気づくことができます。
何年分のライフプランを作るべきかは個々の自由となりますが、家族にとって節目となるライフイベントを入れるとよいでしょう。
ガッツリ・ライフプラン表を作る5つのステップ
もう少し、具体的に知りたい場合は、以下のライフプラン表を用意し、ステップ・バイ・ステップで大まかな金額を導き出すことができます。
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1いつまで働いて、どういう老後を過ごしたいですか?
現在は60歳もしくは65歳定年ですが、人生100年時代において、70歳まで働くことが当たり前になっていくと予想されています。
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2住宅ローンはありますか?
ある場合、現在いくらで、いつまで組んでますか?
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3今の生活費はいくらですか?
老後の生活費はいくらを希望していますか?
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4毎月いくら積立していますか?
財形なども含めた金額です。
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5退職金はありますか?貯蓄額はいくらですか?
退職金がある場合、いくらくらいですか?
ガッツリ・ライフプラン表を活用することで、これからの人生の全体像をイメージすることができます。
これからの人生がガッツリ・ライフプラン表どおりになるわけではありませんが、何となく不安という状態から一歩進むには、ライフプラン作りがとても効果的なのです。
【シングルバージョン】ガッツリ・ライフプラン表
それでは、具体的にシングルバージョンのガッツリ・ライフプラン表を作成してみましょう。
例は、40歳の独身女性、花子さんです。40歳のときに念願のマイホームを購入しました。給料が50万円で持ち家の住宅ローンが60歳まで、月15万円。外資系のため、特に退職金は期待できず、60歳以降再雇用という形で70歳まで働くことを前提としています。再雇用での給料は、現役時代の半分である25万円とします。
生活費が現役時代と変わらない場合61歳から再雇用で25万円で働き、月15万円の住宅ローンが終わるとすると、不足額は毎月10万円。70歳まで10年間その生活が続くとすると、「10万円×12カ月×10年」で1,200万円不足します。つまり、60歳までに1,200万円準備しておくと安心ということになります。
再雇用制度が終わり、70歳から公的年金を受け取るとします。働いている間に積み立てていた月10万円が終わるとすると、同じく10万円が不足額となります。90歳までその生活が20年続くとすると、「10万円×12月×20年」で2,400万円不足します。つまり、70歳までに2,400万円あると、現役時代と同じ生活が暮らせるということになります。
つまり、トータルで3,600万円必要です。実際にライフプラン表を作成すると、以下のようになります。
このようにライフプラン表を作成することで、老後資金に対して「びっくりおばけ」と思っていたところから、抜け出すことができます。私の個別相談で実際にこの作業をしていくと、「自分の状況を具体的な形で見える化することで、客観視することができ、気持ちが楽になるんですね!」というお声をいただいています。
【ファミリーバージョン】ガッツリ・ライフプラン表
次に、ファミリーバージョンを解説していきます。
例は、夫46歳で月収50万円、持ち家であり、妻は44歳で子2人のケースです。住宅ローンが70歳まで15万円、子ども2人の教育費を大学卒業まで準備します。夫が60歳で退職金1,000万円もらい、再雇用で現役時代の給料の半分である25万円で70歳まで働きます。そして、70歳から年金を15万円を受け取り、毎月25万円で生活していく場合、老後の資金がいくら必要か計算してみます。
60歳から70歳の間、教育費はなくなりますが、住宅ローンが15万円残りますので、毎月の生活費としては40万円必要です。再雇用の給料は月25万円ですので、毎月15万円が不足することになります。つまり、10年間では、15万円×12カ月×10年=1,800万円が不足します。
また、夫が70歳から年金生活となり、平均寿命より長く生きて夫が90歳まで生きると、夫婦2人の年金生活は20年で年金が15万円で、生活費が25万円の場合、10万円×12カ月×20年=2,400万円不足することがわかります。流れを見える化すると、以下のような図になります。
60歳から70歳までの不足額が1,800万円、70歳から90歳までの不足額が2,400万円なので、総額4,200万円となります。
退職金が60歳のときに1,000万円ほどあれば、用意する資金は3,200万円となりますが、退職金がない場合は4,000万円超を用意する必要があります。
また、退職金があったとしても、年金受給の生活費は月25万円で試算していますので、旅行などゆとりある生活をしたいのであれば、月10万円×12カ月×20年=2,400万円がさらにプラスされます。
最低限の暮らしをしていたとしても、夫が90歳で亡くなった後、本人1人の年金生活が続くとなれば、年金で不足する分を考慮する必要があるので、いずれの場合もトータルで4,000万円は準備しておく金額といえます。
お金の流れを把握するためにも、このようなライフプラン表を作成することは大切です。ライフプラン表は旅行時の地図のようなものですね。これがあることで、迷子になることを防ぐことができます。
まとめ
お金の流れを把握するためにも、ライフプラン表を作成することは大切です。ライフプラン表は旅行時の地図のようなもので、これがないと、迷子になってしまいます。
目的地を決めることで、予算とルートを決めるように、お金との付き合い方も目標額を定めることが重要です。
「人生いろいろ」ですので、ライフプラン表通りに進まないことも多々あると思いますが、その時は修正をすればよいのです。
まだライフプランが確定していない人は、夢をライフプラン表に反映させてください。夢を実現するために、お金に強くならなければならないと考える良いキッカケになりますよ。