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「ねんきん定期便」活用2:人生のリスクに対する保障額がわかる!

「ねんきん定期便」活用2:人生のリスクに対する保障額がわかる!

この知識はこんな方におすすめ

  • 「ねんきん定期便」はとってあるけど、内容を確認したことがない人
  • 病気になったらいくらくらい必要なのか、心配している人
  • 住宅ローンを組んでいたり、教育費を払っているなど、働けなくなったときに支払いが継続できるか心配な人

「ねんきん定期便」は将来もらえる年金額についてお知らせする書類ですが、病気になったときの「高額療養費」、働けなくなったときの「傷病手当金」、障害状態になったときの「障害年金」、といった「人生のリスクに対する保障の額」を知ることもできます。そして、これらは世界的に見て、相当高いレベルにあります。

あなたのセーフティネットとしての保障額はいくらなのか、「ねんきん定期便」を活用して、確認していきましょう。

「病気になったとき」いくらかかる?

「70歳未満 自己負担限度額(高額療養費算定基準額)」を手元におきながら、「ねんきん定期便」のオモテをみると、「病気になったとき」いくらかかるかがわかります。

厚生労働省によると、「高額療養制度」の定義は以下のように定められています。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。 ※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。 毎月の上限額は、加入者が70歳以上かどうかや、加入者の所得水準によって分けられます。 また、70歳以上の方には、外来だけの上限額も設けられています。

出典:厚生労働省HP「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)

厚生労働省が発表している計算式を元に、わかりやすく表示したのが、以下の田中香津奈作成の表「70歳未満 自己負担限度額(高額療養費算定基準額)です。

一般的な収入である「標準報酬月額28~50万円」は、1カ月の自己負担は約9万円です。標準報酬月額が50万円を超えると、1カ月の自己負担は2倍の約18万円となります

例えば、以下のように、50歳未満の「ねんきん定期便」場合、オモテの「標準報酬月額」から、高額療養制度による自己負担限度額の概算を算出できます

この場合、『厚生年金保険「標準報酬月額」は360千円』と記載があるため、上記の「70歳未満 自己負担限度額(高額療養費算定基準額)」を見ると、一般的な収入である「標準報酬月額28~50万円」となり、1カ月の自己負担は約9万円となります。また、過去12カ月以内に、高額療養費の支給を3回受けた時、4回目から限度額が引き下げられます。上記の「70歳未満 自己負担限度額(高額療養費算定基準額)」から、4回目以降の1カ月の自己負担額は44,000円ということがわかります。

「病気になったとき」1~3回目までは月9万円ほど、4回目以降は月44,000円、かかるということが、「ねんきん定期便」を見るとわかるのです。年収によってこの金額は異なります。

一度あなたの「ねんきん定期便」で、「病気になったらいくらかかるか?」確認してください。

「働けなくなったとき」いくらもらえる?

次に、働けなくなった時です。イメージを見ると、個人事業主は保障が少ないことがわかります。

傷病手当金とは?

傷病手当金とは、安心して治療に専念できるよう、給与の一部が支給される制度です。会社員のみが適用となり、個人事業主の場合はありません。どんな場合に受け取ることができるかの支給要件は以下の通りです。

傷病手当金 支給要件

  • 業務外の病気やケガでの療養であること。業務上の病気やケガの場合は、労災からの補償となるからです。
  • 健康保険が適用される療養だけでなく、自費診療も含みます。また、入院の有無は問いませんので、自宅療養も対象です。
  • 土日を含めて、3日間は待期期間で、4日以上仕事に就くことができなかった、つまり労務不能状態であるという診断をお医者さまからもらうこと
  • 給与の支払いがないまたは少ないこと

イメージとしては、会社員の方が体調がすぐれず、有給休暇を取って病院にいきました。その日が「病気・ケガの初診日」となります。働けなくなったとき、3日間の待期期間を経て、4日目から傷病手当金が支給されます。具体的な金額は、給与の算出基準となる「標準報酬月額」を日割りで計算した3分の2の金額となります。標準報酬月額は、給付を受ける月以前12カ月間の各月の標準報酬月額の平均した額となります。賞与の額は含みません。

支給期間は最長で1年6カ月となります。

会社員の方は、「自分が休むと他の人に迷惑をかける」といって、具体が悪いのを我慢して出勤し、病院に行かない方も多いです。体調が良くならない場合、有給を消化しながら休みと出勤を繰り返した末、結局出社できなくなり、そのま退職…。そして、時間ができてから病院に行くケースも多々あります。「傷病手当金」をもらって治療をすることで、会社を退職せずに済んだかもしれないことも考えられます。

また、有給を使い果たしてから「傷病手当金」を受給する方もいますが、私はオススメしません。なぜなら、治療して復職した場合、まったく通院しない状況は考えにくいからです。そのときに有給がないと、復職後に通院などで会社を休む場合、すべて欠勤扱いになってしまうからです。

早めに病院で「初診日」を確定させ、健康保険から傷病手当金を申請するのがよいです。あなたが毎月支払っている健康保険料から給付されますので、会社も、あなた自身も経済的損失はないからです。

入院の有無を問わず、「労務不能」ですので、女性の場合は、妊娠中のつわりで給付対象になる可能性もあります。

強制的に払っている保険料の保障内容を改めて確認することで、働けなくなったときの経済的リスクを補う方法がわかるのです。

そして、あなたの具体的な金額は、「ねんきん定期便」で確認することができます。

【会社員編】働けなくなったらいくらもらえる?

会社員で、働けなくなったら、いくら傷病手当金がもらえるか、以下の「ねんきん定期便」を活用して、確認してみましょう。

標準報酬月額が36万円の場合、1年間の平均を算出すると、36万円となります。

公式である「給与(≒標準報酬月額)÷30日×2/3」にあてはめると、360÷30×2/3×30=24万円、となります。

月額24万円を最長1年6カ月、受け取れるということです。

【個人事業主編】働けなくなったらいくらもらえる?

個人事業主で、働けなくなったら、いくら傷病手当金がもらえるか、以下の「ねんきん定期便」を活用して、確認してみましょう。

ねんきん定期便のオモテ、標準報酬月額の欄が空欄の場合は、国民健康保険のため対象外です。つまり、算出は不要で0円です。

このように、個人事業主は傷病手当金が出ませんので、会社員より働けなくなった保障を自助努力で準備する必要があることがわかります。

「障害状態になったとき」いくらもらえる?

傷病手当金の支給を受けて、1年6カ月経ち、残念ながら症状がよくならなかった場合、障害年金を受け取れる可能性があります。イメージ図を見ると、傷病手当金よりは少ない額になりますが、個人事業主は傷病手当金がゼロ円だったのに対して、障害年金は支給されます。

障害年金とは、病気や事故などで身体に障害が残った場合の年金制度です。国民年金、厚生年金加入者いずれも適用となります。どんな場合に受け取ることができるかの支給要件は以下の通りです。

障害年金 支給要件

  • 初診日より18か月経過後に所定の障害状態がある場合
  • 障害の程度により、重い順に1級、2級、3級、障害手当金(一時金)がある。等級によって支給額が異なり、3級と障害手当金は厚生年金加入者のみ

障害年金は初診日が、「いつ?」「どこで?」が重要です。

1つ目の「いつ?」は、初診日が遅れれば遅れるほど、障害年金の受給開始が遅くなるからです。初診日から1年6カ月は傷病手当金をもらい、体調が引き続きすぐれない場合は「障害年金」の対象となります。障害年金を受け取りながら、復職してもかまいません。毎年障害年金を支給する健康状態であるかの査定はありますが、最長期間は将来の年金である「老齢年金」を受け取るまでとなります。

2つ目の「どこで?」は、あなたが会社員のときか、退職後かによって、受給できる障害年金の等級が異なるからです。会社員のときに初診日がある病気・ケガによる障害に関しては、「障害等級1~3級、障害手当金(一時金)」の対象となりますが、退職後国民年金加入者となったときが初診日の場合は「障害等級1級・2級」のみとなます。

例えば、会社員時代に、忙しいのを理由に、病院に行かない方も多いです。有給を消化しながら、出勤したものの、やはり会社に出社できなくなり、そのまま退職…。そして、退職して時間ができたので、病院に行き「初診日」という場合も多いです。この場合、国民年金被保険者として「初診日」となります。そのため、初診日より1年6カ月後に、障害年金3級に該当する健康状態だったとしても支給されません。

もし、厚生年金に加入しているときの「初診日」であれば、1年6カ月後、会社をすでに退職していて国民年金の被保険者だったとしても、「障害厚生年金3級」に該当すれば、支給の対象となります。

このようなことを考えると、有給を使い果たしてから「傷病手当金」を受給するのではなく、体調がすぐれないときには、早めに病院で「初診日」を確定させるのがポイントです。障害状態になっても「より早く」「より多くの」障害年金を受給できる権利を得るのが安心です。あなたが支払っている健康保険料と年金保険料から給付されますので、会社も、あなた自身も経済的損失はないからです。

強制的に払っている保険料の保障内容を改めて確認することで、働けなくなったときの経済的リスクを補う方法がわかるのです。

以下の図は、障害年金の年額の全体像です。

障害等級2級が将来もらえる老齢基礎年金の満額と同じで、子の加算額が障害基礎年金に、配偶者の加給年金額が障害厚生年金につくことがわかります。2級より重いのが1級で、障害基礎年金と障害厚生年金共に、2級の1.25倍となります。また、障害3級と障害手当金は厚生年金加入者のみに支給されることがわかります。

そして、あなたの具体的な金額は、「ねんきん定期便」で確認することができます。

【会社員編】障害状態になったらいくらもらえる?

以下の「ねんきん定期便」を例として、妻と子どもがいる35歳会社員が、障害等級2級になったときにいくらもらえるか確認してみましょう。

これまでの年金加入期間をチェックします。印をつけたところをみると、156月と記載がありますが、加入月数が300月未満の場合でも、最低保証の300月に読み替えて計算します。

「これまでの加入実績に応じた年金額・老齢基礎年金」には253,500円とありますが、現時点での老齢基礎年金の額は関係ありません。納付期間にかかわらず定額制のため計算不要だからです。障害2級の障害基礎年金は、満額の老齢基礎年金の年金額と同額です。お子さまがいる場合、子の加算額もプラスされます。

「これまでの加入実績に応じた年金額・老齢厚生年金」を使って、障害厚生年金から受け取る額を計算します。「ねんきん定期便」に記載されている老齢厚生年金の額は、これまでの厚生年金加入期間から算出された額です。そこで、「1カ月分に換算するといくらになるのか?」を計算して、それに300月を掛けます。具体的には、『「②老齢厚生年金÷厚生年金の加入期間」×300月』です。厚生年金加入期間が300月以上の場合は、計算は不要です。また、配偶者の加給年金額もプラスされます。

計算式は、「障害基礎年金+障害厚生年金」となります。

①障害基礎年金は、月6.5万円(A)+ 子の加算額(1.8万円×2)月3.6万円(B)です。

②障害厚生年金は、307,800円÷156月×300月÷12カ月=575,505円 ≒4.9万円/月 (C)+配偶者の加給年金額:1.8万円/月(D)です。

将来の年金額は、①(A)(B)②(C)(D)を足して、月額16.8万円(平成31年度価格)となります。

このように、「ねんきん定期便」を使って、障害等級2級で受け取る金額を自分で計算することができます。障害状態になった時のセーフティネットとしてのお金を明確にすることが可能となるのです。

【50歳未満・個人事業主編】障害状態になったらいくらもらえる?

今度は個人事業主のケースです。この「ねんきん定期便」を例として、妻と子どもがいる35歳会社員が、障害等級2級になったときにいくらもらえるか確認してみましょう。

初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことをチェックしてください。

「これまでの加入実績に応じた年金額・老齢基礎年金」には253,500円とありますが、現時点での老齢基礎年金の額は関係ありません。納付期間にかかわらず定額制のため計算不要だからです。障害年金2級は満額の老齢基礎年金の年金額である月6.5万円と同額で、お子さまがいる場合、子の加算額もプラスされます

個人事業主は、国民年金保険料のみの支払いなので、障害基礎年金のみの保障となります。

計算式は、「障害基礎年金」となります。

①障害基礎年金は、月6.5万円(A)+ 子の加算額(1.8万円×2)月3.6万円(B)です。
②障害厚生年金は、対象外のため、ゼロ。配偶者の加給年金もゼロ です。

将来の年金額は、①(A)(B)で、月額10.1万円(平成31年度価格)となります。

働けなくなった時、個人事業主は傷病手当金は支給されませんが、「障害基礎年金」は受け取ることができます。会社員よりは少ないですが、「ねんきん定期便」の見方が分かることで、障害状態になった時のセーフティネットとしてのお金を明確にすることが可能となるのです。

まとめ

「ねんきん定期便」は将来もらえる年金額についてお知らせする書類ですが、病気になったときの「高額療養費」、働けなくなったときの「傷病手当金」、障害状態になったときの「障害年金」、といった「人生のリスクに対する保障の額」を知ることもできます。

将来のお金の不安を解消するためにも、現役時代の働けなくなったときの経済的リスクを知ることはとても大切です。なぜなら、将来のお金の準備は、現役時代「元気に働いて稼ぐ」ということが前提だからです。セーフティネットとしてのお金はどれくらい受け取ることができるのかは、「ねんきん定期便」の見方を知ることで明確になります。

気やケガで入院したとき、働けなくなったときの保障を確認することで、不足する保障が明確になるのはもちろんのこと、老後資金の準備が中断しない対策をしていくという新しい視点を持つことができます

将来のお金の不安だけでなく、日常生活におけるお金の悩みを解消するためにも、「ねんきん定期便」を活用していきましょう。

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