06. 金融・保険のこと

かづな先生の不動産投資 その4

不動産の賃貸の更新は、通常は2年が1クール。ちょうど、2年を迎えてそろそろ更新の時期。なんだか時のたつのもはやいな・・・と思っていたら、更新のちょうど3ヶ月前、彼女から電話がありました。

「新聞の記事ですでにご存知かもしれないけど、私の勤務していた会社、倒産することになったの。これから次の会社が見つかるまで就職活動することになると思うんですけど、もしうまくいかない場合は、更新できないかもしれないと思って、ご連絡さしあげたのです。」

事情が事情なので、私としては、借り手の心配などしなくていいので、就職活動に専念してもらいたい気持ちでいっぱいでしたが、家賃収入というのは、借り手がいて初めて成立するということを身にしみて感じた出来事でした。

それから約1ヶ月。嬉しいお知らせが来ました。

優秀な彼女は、同じアパレル業界の会社に就職が決まったとのことです。「更新時期、ギリギリになってしまったけれど、更新させていただいていいですか?とっても気に入っているのです、このおうち。」ということで、私にとっても、彼女にとっても初めての更新の手続きを済ませ、また平穏な日々が過ぎていきました。

2004年夏、彼女から1通のメールが来ました。

「ご相談にのってもらいたいことがあるのですが、一度お食事しながらお会いできませんか?」ランチはよくご一緒したことはありましたが、メールの様子からランチの時間では終わらないような内容なのでは・・・と思い、ざっくばらんに話せる焼き鳥やさんに行きました。

「今日のご相談なんですけど、1人暮らしに反対していた父が、そんなにがんばっているのであれば、と応援してくれるようになって、マンションを購入することになったのです。もちろん、私もローンを組みますけど、父が銀行の人にすすめられた物件で・・・」

間取りを聞くと、私の物件よりもはるかに広いマンション。同じく渋谷区だし、それはよかったです!と「おめでとうございます」と何回も、何回も繰り返してました。でも、彼女はとても悩んでいるのです。

「本当に、今のお借りしている物件が気に入ってて、本当は引っ越したくないんです。これから住むところは、勝手に父が決めてきた物件だし。ここでご相談なのですが、今回買った家を賃貸に出そうと思っているんですが、家を貸すときのデメリットって何かありますか?」これが彼女の本当の悩みでした。

「私もマンションを買ったときは、周りの人にはいいね、いいねって、すごく言われたけど、私自身としては実家から会社に通うのも不自由していなかったから、1人暮らしするなんて本当は全然嬉しくなかったけど、今思うと1人暮らししてみてよかったって思います。本当に気に入っていただいているのは私も嬉しいのですが、住めば都ですから、一度住んでみて、それでもやっぱり気に入らないということでしたら、また借りて下さいね。」

彼女はふっきれたみたいです。「アドバイスどおり、一度住んでみます。本当にこれまでいろいろとありがとうございました。」

大家さんってこんなに感謝されるのかしら、私が借りていただいてありがとう、という気持ちになるのはわかるのですが、とても不思議な気持ちになりました。何はともあれ、彼女の新しい門出を祝うディナーになりました。こうやって、彼女は引越し、私の大家さん生活は一度幕を閉じることになったのです。

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