みなさん,絵門ゆう子さんをご存知でしょうか?元NHKアナウンサーで、旧姓池田裕子さん。私と同年代の方であれば、NHKをつけるとブラウン管の向こうでよく見かけた方は多いと思います。NHK退職後、フリーに転向しキャスターや女優として活躍されました。
がん公表後は執筆を中心に講演、医療フォーラム、テレビ出演、自作の物語の朗読など多方面で活動を展開されていましたが、4月3日午後10時43分、転移性乳がんのため東京都中央区の聖路加国際病院で帰らぬ人となりました。49歳。
実は絵門さんの講演を5月7日に拝聴しに行く予定でした。講演主催者と数日前にお話する機会があり、今回の講演を引き受ける条件として絵門さんの事務所側から、立って話すことが辛くなると思うので、舞台裏でベッドを用意して欲しいとの要望があったとのことでした。
「がんと一緒にゆっくりと」などの著書があります。がんと戦う姿勢、悩み、苦しみが隠すところなく書かれており、全身がんになりながら前向きに生きる姿に心を打たれました。またがん患者に対し、あまりに心ない医療によって身体も心も傷つけられている人がたくさんいるということも事実です。
そんな状況下の中、もしあなたががんと宣告されたらどうしますか?
私は、絵門さんのように前向きに生きることができるか不安です。3人に1人ががんで亡くなります。絵門さん以外でも尊い命が失われていることを考えると、「私だけはがんにならない」という根拠のない楽観的な考えは通用しません。日頃から、がんにならないという最高を願い、がんになってしまうという最悪の事態に備えておく必要があります。
絵門さん、勇気をいただきありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。