「なんでも黒板」を書いていて思いますが、毎日景気がよくなるニュースばかり。それと連動して、保険の取り扱いも、従来の死亡保障ではなく、いかに資産を運用するか、に重点をおきすぎているように感じます。そうです、変額保険・変額年金の話題でもちきりです。
とても危険なことだと思います。変額年金って、まとまったお金があって、預金・株・投資信託だと物足りないので、保険で運用してみよっかな、という感覚。確かに、お金に困っていない方々なので、お金を自由に使おうが私がタッチすることではないですが、保険会社も一斉にそれに目を向けてしまってはいけません。だって、保険って経済的リスクを補うための金融商品ですから。
先日、お父さんがいるって嘘ついた―ガン・闘病から死まで、遺族たちの心の叫びを勧められて読みました。350ページ、ほとんどがお手紙による実話です。涙なくしては読めない本です。
そこで必ず出てくるのは、「助けたいからいくらでも治療費は出したい」という究極の状態と、「でも現実はお金がない。保険金だけが頼り」という心の葛藤。保険に入っているのと、いないのと、年金を払っているのといないとでは、本当に人生が変わってしまうということがつづられています。景気がよくなるからこそ、自分の足元はかためたい。
もっと、もっと、というライフプランもよいと思いますが、一度立ち止まって自分を守るべき最低限の用意はしておいたほうがよい。治療費・学費・生活費、このような経済的リスクに役に立つ保険を理解してもらえるよう、がんばらなくては、と思いました。