06. 金融・保険のこと

かづな先生の不動産投資 その7

「まだ、購入希望の方のローン審査が通るまで時間がかかるそうですが、先に契約書の手続きを進めておきたいと思います。ご自宅にお伺いさせていただきたいと思うのですが、いつがご都合よろしいですか?」

えっ、おうちにきてくれるんだ・・・びっくりした私ですが、自宅のマンションも、家の前に同じ高さのマンションが立つということで、引っ越そうかどうか迷っているところだから、ついでに査定がてらきていただくというのは、とてもタイミングがいいわ、と都合よくとらえていた私。

当日、わざわざ来ていただいた理由があった・・ということがわかりました。

「確かに契約ということになるのですが、私が購入希望の方との間で、少し売却価格については相談してみます、と宿題にさせていただいているのです。タイミングがよいことに、隣のお部屋と競合できたということで、市場価格よりかなりよい価格になっているになっています。なんとか、少し相談させていただけないでしょうか?」

モデルルーム仕様ということと、特に売却については急いでいないので、この価格で納得いただけないのであれば、見送っていただいても結構です。。。というご回答をしました。

せっかく、自宅まで来ていただきましたが、それとこれとは話は別。やはり、私の物件に対して、この価格なら納得して支払えるという方に買っていただきたい、とても思い出がいっぱいで、大切なものだから。日に日にそのような気持ちが強くなっていきました。

「わかりました。なんとか相手の方に伝えます。」さすが、できる営業マン。ほぼ自信があるときに、使うトークです。私にも、そして相手の方にも、全力を尽くしてみる。そしてそのバランスをみてお互いが納得いく方向性に導くというプロセスが見えてきたような気がしました。

「マンションを購入したときのパンフレットや管理規約、規則ごとなどの資料はありますか?」

契約書は取り付けることはできませんでしたが、購入希望の方を納得する自信があったのでしょう。売却を見越して、そのときに必要な書類をお持ち帰りになりました。

数日後・・・はざまに立たされた担当者の方から再度電話が。どうしても金額を少し下げて欲しいと言うことなのです。私はこのように回答しました。

「わかりました。相手の方が望んでいる金額は下げられませんが、間をとってその間の金額は了承しましょう。」

私と相手の方の間の額を取る。それで、このお話がなくなったら、また賃貸に出すなり、次の買い手を待とう。まるで、合格通知の発表を待つ気持ちで、再度答えを待ってみたのです。

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